年俸120円似ている人、同じ名前の人

2020年07月03日

フィガロ

フィガロ

猫のフィガロは、1996年7月に生まれ、2011年10月に亡くなった。メインクーンという種類で、由緒ある血統書つきの虎猫だった。フィガロという名は、当時5歳の息子が自分の好きだったディズニーのキャラクターから付けた。猫の世話は、大体は私が一人でやっていた。私の外国出張の時は隣の家の人に世話を頼んでいたが、フィガロはどちらも自分の家と思っていたようで、二軒の家を行ったり来たりしていた。

狩が得意で、庭先で何時間もじっと動かず鳩などの野鳥が地面に降りてくるのを待ち、相手が一瞬油断するすきに飛びかかるという戦術だった。狩に成功すると、獲物を家の中にくわえてきて「とったぞ!」と言わんばかりに、得意げに自慢するのである。その後、死骸を見つからないところに隠すので、その処理が大変だった。ある晩、私が一人でテレビを見ていると、ゴミ箱が動いたような気配がして、ゾッとした。ゴミ箱の中では、瀕死のモグラがもがいていた。

2008年ごろだったか、他の猫と喧嘩して怪我をし、体調も悪そうだったので、近くの犬猫病院で診てもらった。獣医大を卒業したばかりの女性の獣医さんが、獣医大で血液検査をしたら、白血病が見つかったとのこと。治療法もなく、あと3ヶ月ももたないでしょうとのことだった。

さすがに可哀想に思い、その晩はスーパーで刺身を買って与えた。フィガロはグルメで、それ以前も乾燥の餌は食べようとせず、缶詰のキャットフードを与えていたのだが、一旦刺身の味を覚えてからは、缶詰も食べなくなった。しかし、まあ、あと数ヶ月で死んでしまうのであれば、ちょっとの贅沢は許されようと考えて、私は毎日のように700円の刺身を買い続けた。私の食費よりも猫の餌代の方が多くなり、私は殆ど破産状態に陥った。

だが、3ヶ月経っても、フィガロは元気で、とても死ぬ気配などない。「お前、まだ死なないのか?」と聞いても、きょとんとしているだけ。さすがに700円の刺身はもう続けられない。スーパーでは、夜遅くなると700円の刺身が400円に値下げされるのを知って、それを買うことにした。

その400円の刺身を猫皿に移してフィガロにやると、匂いをかいだあと「今日の刺身、何かおかしいんじゃない?」とでも言うように私を見上げるのである。「食べろ!」と私が怒鳴ると、猫皿をひっくり返して刺身を床に撒き散らす。まるで、猫の「ちゃぶ台返し」である。

怒って「お前のような自分勝手な猫は、出て行け!」と言うと、猫専用の出入口からプイっと出て行ったきり、2・3日戻って来ない。こちらが心配しているのを見計らって、数日後何事もなかったように、ソファーの上で、大の字になって寝ているのである。

フィガロはその後3年以上も元気に生き続け、結局その間、私は700円の刺身を週に何回かは買う羽目になった。だが最後の1ヶ月は、急に食が細くなり、2011年秋、15歳と3ヶ月で天寿を全うした。人間で言えば、90歳近い年齢だ。思えば、頭の良い猫だった。












 

smurase at 00:26│Comments(1)

この記事へのコメント

1. Posted by Kazuko Ito   2020年07月10日 20:27
5 村瀬先生

プログを拝見し勉強させていただいております。ILCのお仕事に関連してウ伺いしたいことがあるのですが、先生にご連絡を取ることができますでしょうか?どうぞよろしくお願いいたします。

弁護士 伊藤和子

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